データリンクの実際 〜日本語テキスト編〜


■ 日本語データリンクの準備 ■

NewtonとPCの間で日本語テキストデータをやりとりする場合、まず双方の文字コード体系が異なる(Newton: Unicode PC: Shift-JIS)というハードルをクリアする必要があります。Newtonで日本語データを送受信する場合、"I-mail"の開発でも知られるGNUE氏の"NTEncoding"という文字コード変換用サービス(エクステンション)をNewtonにインストールします。

NTEncodingは必要応じて、用意されたコード変換モジュールを選択、インストールします。

このコーナーで扱うリンクアプレットは基本的にNTEncoding準拠のコード変換モジュールがインストールされた状態で動作します。


●UniConv (Newton←PC)/ 要TapBar
 補足:掲載サイトがクローズしているため、現在入手できません。(08/15/2000)
    類似機能のアプレットとしては"Programming with Newton"の"
NotesConv"があります。

この手の変換ツールの中でも最もポピュラーな存在がこの"UniConv"。Notesに取り込まれたShift-JISテキストをUnicodeに変換します。インストールするとTapBarのボタンとして表示されます。

使い方は至ってシンプル。Notesに取り込まれたバケバケのShift-JISテキストの文末にキャレット(カーソル・ポインタ)を置き、UniConvボタンをタップすると変換可能なコードメニューが表示されるのでNewton←PCの場合なら"Shift JIS -> Unicode"を選ぶだけ。

◆ ◆ ◆

NewtonとPCの接続はNewton側は"Dock"、PC側はN.C.U.(Newton Connection Utilities)の"Use KeyBoard"機能を用いて行います。Newton側はDockを起動する前にあらかじめ文章を流し込むためのNotesを開いて、キャレット(文字入力用カーソル)を表示させておきます。これを忘れるとエラーになってうまく接続できませんから注意して下さい。

接続して待機状態になると下のようなコンソールが表示されるので、転送したいテキストを開いて文章を選択、コピー。"Paste from Clipboard"ボタンを押すとNotesにShift-JISテキストが取り込めます。

ただしこのUse KeyBoard機能はバッファに制限(英数字換算で5,000文字)があるようで、あまり大きなテキストファイルをペーストしようとすると下のアラートが出て尻切れになってしまいます。大きなテキストは分割して取り込む等の工夫が必要です。

UniConvはかなり機能を絞ったアプレットで、使い勝手も悪くないのですが、NewtonWorksではボタンバーに入れても変換できないのが残念。コード変換のみを行うアプレットなので、基本的にNewton→PCの変換もOKの筈ですが、私の環境ではN.C.U.を使ってNotesのExportをしようとした時点でエラーが出てしまい、確認できませんでした。


●X-Port1.06J (Newton→PC)

MP130からのユーザーは殆どの方が持っているのでは?と思われる日本語対応のデータ交換ツール。MP2000シリーズ向けにはもう少しで次バージョンの2.1Jがリリースされる予定ですが、現バージョンの1.06Jも一部機能は動作します。

X-PortはPC側、Newton側の双方にアプリケーションをインストールして使用します。Newton側ではX-Portをインストールするとルーティングメニューの中で"X-Port"が使えるようになります。NewtonとPCをケーブルでつなぎ、PC側でもX-Portを起動した状態でNewtonのNotesでX-Portを選択、Noteの内容をPCに送信します。

1.06Jでも日本語テキストをNewtonからPCへ送信することは可能です。ただ、変換結果に変なクセがあり、一部の文字が変換されずに空白で表示されたり(私の例では「不」がダメでした)、"」"を改行コードと勘違いしたりする等々、変換したテキストを利用する際には内容のチェックが欠かせません(いやはや…)。

ちなみにUniFEP Proに付属してくる"ConvertCode"というエクステンションを併用する事で、Newton←PCの日本語テキスト転送も可能だという情報もあります。私の環境でも受信箱に入ったテキストを直接見ると確かに日本語で転送されているのですが、Notesへの書き出し(PutAway)でエラーが出てしまい、取り出せませんでした。

●X-Port2.x用日本語パッチ

"Programming with Newton"で公開されている英語版X-Port2.0,2.1用日本語パッチ。私は2.xのX-Portを持っていないので確認できませんでしたが、NotesとNewtonWorks(Paper)について日本語テキスト転送が行えるようです。


●Autodetect (Newton←→PC)/ 要TapBar

前述の"Programming with Newton"で公開されているコード変換用ボタン。基本的な機能はUniConvと同じですが、こちらは"NewtonWorks"でのコード変換にも対応!なんとWorksとPCで日本語データ交換が可能になります。

使い方もUniConvと同様。Autodetectボタンをタップすると変換可能なコードが表示されるので、適宜選択して変換します。下はNewtonWorksに取り込んだ日本語のShift-JISテキストをUnicode変換しようとしているところ。

NewtonWorksからPCにテキストを渡したい場合、まずWorks上でAutodetectボタンによるUnicode→Shift-JIS変換を行ってから取り出します。表示された一覧から"Uni to SJIS"を選べばOK。

◆ ◆ ◆

WorksとPCのデータ転送にもN.C.U.を使います。Newton←PCの場合は"Newton Works Import"を使用します。

準備ができるとファイル選択のコンソールが表示されるので、PC側で用意したテキストファイルを選択するだけです。インポートできるファイルはかなり多様な形式に対応しているようで、この辺りはいろいろチャレンジしてみると面白そうですね。

逆にNewton→PCでデータを取り出したい場合は"Newton Works Export"を使用します。

ファイルを選択するセレクション・コンソールが表示されるので、エクスポートしたいファイルを選択すればOK。ちなみにエクスポートするファイルは予めShift-JIS変換を行っておきます。ファイル名は日本語表記すると文字化けしてしてしまうので、英語表記にしておく事をおすすめします。


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