喫茶部 宇宙軒


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耳をすませば

わが愛しの 「耳をすませば」


正直に告白してしまうのですが、私、この映画がとっても好きです。もうLDでの初見時は頭をブン殴られた様なインパクトと言うか、心に揺さぶられる様なざわめきを感じました(いやはや…)。実はこの作品、私は劇場公開時にも観てなくて、LDが発売された時に、なんの気なしに購入してしまったんですが、心の琴線に触れまくりでございました。

雫や聖司の真摯な姿を、少しの照れもなく正面切って描ききる、その脚本や演出手法にも凄く感動したのですが、丁度その頃、自分自身が物語を書いていた事もあって、映画の後半で、物語の創作に挑戦したものの上手くまとまらず苦しむ雫の姿に、自分を重ねてしまったのかも知れません。

雫のあの苦しみは、モノを創り出す人間が必ず味わい、そして乗り越えなければならない壁なのだと思います。でも、それはモノを創り出さない人には決して味わえない体験でもある気がします。物語を書く事、何かを生み出す事…「自己の存在証明」と言うとちょっと固くなってしまいますが、それはきっと人が「この世に自分が存在した証」を刻んで行こうとする過程なのだと思います…

確かにラストのプロポーズはちょっと唐突な感もあるし、現実的に考えて、中学生で将来に総てレールを敷いてしまう様な、あのラストはかなり重い、大きな不幸への序曲となるものかも知れないですが(いやはや…)、あれはあれでこの映画には相応しい気がします。

いまでもこの映画は私にとって「ちょっと特別な作品」です。たまに思い出した様に小箱から取り出して眺める…そんな子供の頃のビー玉の様な作品です。









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